「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」という本を読みました!
前回レビューした以下の本の、前作となります。
http://chococotime.com/mirainonenpyou2
これから人口が減っていく日本で、自分たちがどうやって生活していくべきか考えさせられる本でした。
読んだ感想を書いていきます。
今のような「便利な暮らし」は期待しない
本によると、日本は2015年発表の国勢調査で、「人口減少」であることが実際に確認されました。1920年の初回調査から約100年ほどで、初めての減少でした。
さらに、2016年の年間出生数が初めて100万人を切ったことも大きな話題になりました。
[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]日本の人口減少は現実なんだね[/chat]
日本はこれから人口減少に向かいますが、「少子化」と言われるように減る世代は”若者”です。若者が減るということは労働力人口が少なくなることです。
この結果、私は将来の日本は今までのような「便利な暮らし」ができなくなると思いました。
例えば、電車が時間通りに来るとか、宅配の受け取り時間が2時間ごとに設定できるとか。
これは、電車を動かす人がいたり、車を運転する人がいるなど、働く人が一定数いるからできることですよね。でも、働く人が少なくなると、こうも言ってられなくなります。
[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]今は当たり前のことでも、5年後には当たり前ではなくなっているかも[/chat]
「ますます便利になる時代」は、ここ数十年で限界がくるのかもしれないな、と感じました。今あるサービスや物事が、アラサーの自分が40代になったときにも存在しているとは思わない方が良いのかもしれません。
「昔はあんなに便利だったのにね・・・・」と夫婦で話す時代がくるのは、ちょっと寂しいですね。
東京にいたって人口減少の影響は避けられない
今、首都圏は地方からどんどん人が流入してきて、東京一極集中と言われています。若者が進学や仕事のために、地方から上京することをイメージする方も多いと思います。
しかし、首都圏の人口が増えているのは、若者の影響が一番ではないんです。
[chat face=”pro4.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]私はこの本を読むまで知らなかった[/chat]
地方から東京に流入する人で一番多いのは、「高齢者」です。
これは、東京に住む子供が、地方で1人で暮らしている親を東京に呼び寄せる形が増えてきているからなんですね。
しかし、高齢者の流入が一番多いとしても、地方の若者が上京している事実も変わりなくあります。極端な話、今は地方に若者がいるから、東京は人口を増やすことができているんですね。
もし、地方の若者が少なくなれば、東京にくる若者の数も少なくなってしまいます。若者が増えないとなると、出産の数も減るので人口がどんどん減ります。
[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]今は地方の「高齢化」がクローズアップされているけど、のちには東京も「高齢化」が顕著になってくるはず[/chat]
日本の首都東京でも、人口減少は避けられないんですね。なんだか将来が不安になってきました。
現在アラサーの私が、人口減少の影響を実感するのは、いつになるんでしょう。10年後?20年後?子育ても終わって老後のことを考えながら、人口減少の影響について考える日が来るんでしょうか。
我が子に申し訳なくなる社会
日本の人口減少の問題で、私が一番不憫だと思うのはこれから産まれてくる私の子ども世代です。
2019年に産まれる我が子は、もろに日本の人口減少の影響を受けて育つ世代になります。我が子は20年後の2039年に20歳になりますが、2040年には団塊ジュニア世代がすべて65歳以上になるので、若者が高齢者を支える負担が今以上に高まることが想像できます。
[chat face=”pro2.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]私の世代よりも、社会的負担が大きくなる時代に産んでごめんね・・・・と内心思ってしまった[/chat]
でも私たち夫婦は、どうしても子どもを育てたかった。子どもと一緒に新しい体験や発見をして、自分たちも成長したいと思ったんです。
これから産まれる子どもは、私が育った時代よりも過酷な時代を生きることになるはずです。子どもが社会のしくみに押しつぶされないで生きられるように、一緒に「人口減少時代」について話し合う姿勢を持ちたいと思いました。
自分の子どもに「日本を良い国にして!」と大きな負担を課すつもりはさらさらありませんが、せめて我が子とその家族が幸せだと感じれるような生活を送ってほしいと願います。
これから予想される未来のこと、そうなった場合に自分はどう行動するのが良いか、自分や家族を守るための術を、我が子には身に着けてもらいたいですね。
そして、私や夫の存在が子どもにとって負担にならないように、私たちは健康寿命を延ばしたいと思います。親が自立して生きていけることが、子どもにとって何よりも安心になりますよね。
日本の未来に起こること
日本の人口減少によって社会が受ける影響はたくさんあります。
具体的な現象
筆者は、人口減少に伴って日本では具体的に以下の現象が起こると予測を立てています。(本文の一部を抜粋)
- 輸血用血液が不足する
- 百貨店や銀行、老人ホームが地方から消える
- 全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる
- 未婚大国が誕生する
- 深刻な火葬場不足に陥る
- 東京都民の3人に1人が高齢者になる
- 世界的な食糧争奪戦に巻き込まれる
- 外国人が無人の国土を占拠する
これだけを見ると、将来(2019年現在~50年ほど)の日本は、とても暮らしにくそうな印象を受けますね。やはり、今の「当たり前」が通用しない時代が、案外すぐ来るのと思っておいた方が良さそう。
AIが人口不足を補えるか
最近はAIの開発が進み、ビジネスの場面でも多く使われるようになりました。それにより、「AIが人の仕事を奪う」と言われています。しかし、筆者はこう述べています。
AI技術の実用化が、(人口減少に伴う)労働力減少のスピードに間に合うかわからない。
つまり、AIが人の仕事を奪ううんぬんの前に、AIを開発する人材が減ってくることを危惧しなければならないということでしょう。
[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]AIが~ってよく言うけど、AIを開発するのも人だからね。人がいないとAI開発技術も進まない[/chat]
これからの時代の対応策
筆者は、人口減少で受ける社会のマイナス要因を解決するために、以下の取り組みを推奨しています。(本文の一部を抜粋)
- 高齢者の該当年齢を引き上げ(例えば70歳や75歳など)、「高齢者」の割合を減らす
- 24時間社会からの脱却
- コンパクトシティ化
- 国際分業の徹底
- 大学連携型CCRCの普及
- 第3子以降に1000万円給付 など
ちなみに、大学連携型CCRC(Continuing Care Retirement Community)とは、アメリカ内で広がっている仕組みです。
[box05 title=”CCRCとは”]リタイア後のまだ元気なうちに都会から移住し、大学キャンパスで学生生活を楽しみ、体が弱って医療や介護が必要となったら、同一敷地内にある大学病院直結の分院や介護施設で不安なく最期まで暮らせる地域共同体のこと。[/box05]
これを日本に普及させるのは並大抵ではいかないと思いますが、こういう仕組みが広がってくれば老後の選択肢が増えるので私は賛成です。
さらに、少子化に伴い多くの大学が閉校に追い込まれている現実を考え見れば、大学の敷地の有効活用にもなりますしね。
また、「第3子以降に1000万円の給付」とは大胆な案ですが、「子どもを持つことで得られる経済的優遇」を大きく掲げないと少子化はどんどん進んでいくのも事実でしょう。
経済的負担で子どもを諦める
実際に、私は大学生や社会人になったばかりのころ、「子どもは3人欲しい!できれば4人とか5人とか、多く生みたい!その方が賑やかだし楽しそう!」と思っていました。
しかし、自分が今アラサーになって実際に妊娠してみると、子ども1人を育てるのにかかる費用があまりにも高額なことに驚きました。(首都圏在住ということも影響すると思いますが)
なので、私は今「子どもは2人で良いかな」という考えにシフトしています。不妊治療をして1人目がなかなか授からなかったという理由もありますが、それ以上に「経済的な理由」が大きいです。
「お金がかかるから、子どもは多くは持てない」
あんなにたくさん子どもがほしいと思っていた私が、経済的負担を理由に子どもは1~2人までと考えてしまっています。多分、私を同じ考えの人は世の中に多いはずです。
もし、「第3子以降は1000万円給付する」という制度があったら、経済的負担から解放されるので子どもを産みたいと思うと思います。
私は、日本の人口減少に対し外国人労働者の受け入れを拡大するのも1つの方法だと思いますが、根本的な解決にはならないと考えています。人口が減っているのは、そもそも子どもが産まれていないからです。
私がおばあちゃんになったとき、孫の世代が子どもを産みやすい時代になってればよいな・・・と思います。
これから起こることを、親、夫、子供など自分と関わる家族と一緒に考え話し合いながら、時代に沿った生き方を模索していきたいと感じました。
http://chococotime.com/ikimonogatari