ギミック・パペット―テラー・ベビー
とある遊戯王カードの名前である。
夫は遊戯王が好きで4年前に結婚した当初から「遊戯王デュエルリンクス」というアプリゲームを時たまやっている。
課金してないから上位にいけない!
時間が無駄だからもうやめる!
と言ってアプリをアンインストールするも、しばらくするとまたダウンロードしている姿を見ると、遊戯王には中毒性があるらしい。
皆と同じように遊戯の「どうなっているんだ」髪型と「もうやめて!ライフはゼロよ!」しか知らない私にとっては、ギミック・パペット―テラー・ベビーとは何なのか、さっぱりわからない。
でも、確かに、ギミック・パペット―テラー・ベビーだった。
メルちゃんをベビーカーに乗せる娘
寒いからか自分で歩きたくないからかわからないが、最近2才の長女が外に出たがらない。
しかし昨日、珍しく「お外に行く!」と言い出した。
お、久しぶりにお外に出たくなったのかな。よし!張り切って公園に行こう!
そう思い私は3人分の準備をする。
私は眉毛だけかいて部屋着から着替え、2才娘と0才息子のオムツを変える。
息子をエルゴに入れ、娘と手を繋いでさあ外出!
と思ったら、「メルちゃんも!ベビーカーで行く!」と娘が言い、急いで娘にメルちゃんを持たせ、私はベビーカーも持って行く。
そしていつものようにアパートの玄関先で娘をベビーカーに乗せようと思ったが、「嫌!」と言い全然乗らない。
え?自分からベビーカーって言ったじゃん。なぜ乗らない?
戸惑いながら娘を見ていたら、娘は抱っこしていたメルちゃんをベビーカーに乗せ始めた。
おおおお???
メルちゃんにシートベルトを締めながら、「メルちゃん大丈夫か?ちょっと待っててね!」という娘。
そして、メルちゃんを乗せたベビーカーを、押し始めた。
おいおいおーい!ちょっと待って!
ベビーカーって、自分が乗るためじゃなくてメルちゃんを乗せて歩くためだったん???
その状態で公園まで行く気?
私はその姿に笑いが止まらなくなった。写真を撮り、後で夫にLINE。
「うける!ホラーだね(笑)」と返ってきた。
ホラー?私はシュールかと思ったけど。まあいいや。
娘は大層満足気な表情で、一生懸命ベビーカーを押している。いやはや、可愛いけれどさ。
その後娘は、公園でもずっとメルちゃんを抱っこしながら遊んでいた。
ブランコもすべり台もすっとメルちゃんと一緒。
メルちゃんが砂だらけになっちゃたけど、娘がとても楽しそうだから、良しとしよう。
「まるでギミック・パペット―テラー・ベビーみたいだね!」
その夜、帰宅した夫と「今日の娘、なぜかメルちゃんをベビーカーに乗せて歩き出して、わけわからんかった」と話していたら、夫は「まるでギミック・パペット―テラー・ベビーみたいだね!」と言ってきた。
は?これ以上わけわからんくさせないで。
夫は困惑している私をよそに、嬉しそうにスマホの検索画面を見せてくれた。
・・・・なるほど。
夫は、私が送ったメルちゃんonベビーカーの写真を見てすぐにこれを思い浮かべたらしい。
だから感想が「ホラーだね」だったのか。
そして夫は続けて「夜中にさ、ベビーカーに人形を乗せたおばあさんが歩いてたら怖くない?」と言ってガタガタ震えながらベビーカーを押す真似をしだした。
急にどうした???
いや、でも、怖い!ほんと怖い!ありそう。想像してしまった。
てか「ベビーカー 人形」で検索したら、そういう手の話がたくさん出てくるんだけど。
そういうの無理だからクリックしてないけど。
ベビーカーを押すおばあさんの姿をするその夫がシュールすぎて笑う。
Youtubeの真似だろうか?
娘がメルちゃんをベビーカーに乗せると言い出したのは今回が初めてで、急にどうしたんだろうと思ったけれど、多分、Youtubeの影響な気がする。
どこかの動画で、きっとメルちゃんとかポポちゃんをベビーカーに乗せてお散歩するシーンがあったのだと思う。
そして、それをやりたくなった、と。
実際に、娘はおままごとの動画を見たあとは夢中でおままごとやり出す。
野菜を切ったら中からドラえもんとかのキャラクターが出てくる動画があって、その真似をして「このトマトの中には何もないね~!」とか言っている。
だから今回も、きっとYoutube。
娘もいろいろ考えたんだろうな。
きっとね、こういうのがやりたかったんだろう。
うちには娘用のベビーカーしかなくてごめんね。
メルちゃんとお散歩したかったんだね。
2才児とてんてこまい
2才児と0才児を連れて公園に行くだけでも私はどっと疲れるのだが、昨日はなぜかメルちゃんのお世話も加わっていつも以上に疲労困憊になった。
それなのに、お昼寝をしなかったから娘の機嫌はだんだん悪くなる一方。
ワンオペ育児つら。
もう気合で夜まで乗り越える。
そしていよいよ、お風呂の時間。これが終わればあとは寝るだけ。あともうひと頑張り。
その日の夜は、お風呂(と言ってもうちは平日はシャワーだけど)でもメルちゃんと一緒が良いと娘は言う。
娘がメルちゃんを洗っている間に私は自分の髪や体を洗えるからそれは別に良いんだけど、案の定、娘がなかなかお風呂場から出たがらなかった。
しびれを切らした私は先にお風呂場から出て、扉を開けて娘の様子を見ながら髪を乾かす。
すると、メルちゃん洗いに満足した娘。
「ママ!もうあがるよ!」と満面の笑みで私の方を向いた。
手には大量のお湯が出ているシャワー。
脱衣所が、水浸し。
やめて!ママのライフはもうゼロよ!