せれなのプロフィール

男性助産師について

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Instagramで【日本では、助産師は女性しかなれないと法律で定められている】というストーリーを投稿したところ、多くのメッセージをいただきました。

さすが私のフォロワーさんは9割が女性(しかも大半は育児中の方。つまり私と同じ!嬉しい。)、
妊娠出産の話題はみなさん気になるんだなぁと思いました。

みなさんから頂いた意見には、「助産師は女性のみのままがいい」「男性助産師も良いと思う」と、
前者の意見が多かったもののどちら側のメッセージもあったのが面白くて。

みなさんからの意見紹介と、私の考え方、この話題で得た気づきを書いていきます。

目次

助産師は女性が良い!派

たくさん頂いたメッセージの大半は「助産師は女性が良い」というものでした。

例え男性助産師がいたとしても、女性の方にお願いしたいです、という意見も。

理由は、どれも同性の方が安心するということですね。

せれな

妊娠出産の場は、女性特有の体の部位を扱いますからね。相手は同じ女性が良いという気持ちは自然なものだと思います。

次は男性助産師に賛成の意見をご紹介。

男性助産師がいても良い!派

「男性助産師がいても良いと思う」という意見も少数ですが頂きました。

どれも、なるほどと思います。

特に、「パパに指導する立場の男性がいても良い」という意見にはハッとさせられました。

確かに、今は「父親学級」「両親学級」などパパが参加する教室も増えてはいますが、
教える人はみんな女性ではないでしょうか?

たまに男性の産婦人科医が登場するくらいかな、と。

この両親学級などで「男性助産師」がお話をしたら、参加する男性の意識も、きっと違くなるような・・・そんな気はします。

視野が広がる、とても良い意見だと思いました。

私の意見は、助産師は女性。でも、産科に男性看護師がいても良いかも。

私の考えはというと、「助産師は女性」派です。

その考えを述べますね。

女性だからこそ「妊産婦さんの安心」を提供できるから

私は自分の妊娠出産経験から「助産師さんが女性で良かった」と強く思いました。

一番は、陣痛がめっちゃ強いのにいきんだらダメな時期。2分間隔で激痛がきて、「もうやめて」「無理」「あぁぁぁーーー」って、自分でも考えられないほど無防備な姿をしていたんですよね。

このときに側にいてくれる助産師さん、女性だから私は相手に全てを委ねていたんじゃないかと思ってます。

だって陣痛に耐えてるときって助産師さんと相当距離が近くなりません?物理的に。

立ってるときに陣痛がきて助産師さんにつかまったり。腰をさすってもらったり。お互いの呼吸音がわかるくらい近い。体と体が触れるのは当然。

これがもし、相手が夫以外の男性だったら、自分はここまで体を預けられるか・・・と考えちゃうんです。

どこかで「男性だから遠慮しなきゃ」みたいに思うんじゃないかな、と。

「夫に申し訳ない」「夫以外の男性に触れたくない」って。私ならですけど。

それに、人間の本能から見ても出産のときは女性がいいのでは、と思うこともあって。

生物学的に女性と男性は分かれていて、筋肉量が多い分男性の方が力が強い。
だから女性が男性と2人きりになると意識の有無に関わらず本能的に構えるのが自然な反応だと思うんです。

日常生活でも、何かの場面で男性と2人きりになると「あ、2人きりだ」って思うことないですか?
変な意味がなくても。私だけかな。私、男性が怖いって思うときあるからなぁ・・・緊張するの。

でも、お産って産婦さん自身がリラックスしないとうまく進まない。

その「リラックス」を提供できるのが、自分に絶対に危害を加えないとわかる同性自分が何も抵抗できない究極に弱い立場にあっても素の自分でいられる相手、出産をする女性にとってそれは女性かなって考えました。

助産師が「女性」ということが、産婦さんが「ありのままの自分」でいられる要因なんじゃないかと。

私の考えですが。

男性医師は良くて男性助産師に抵抗があるのは…

でもフォロワーさんから教えてもらった漫画にあったように、力のある男性が腰をさすったり、ピシッということで空気が変わったり、男性だからできることがあるのは事実だと思います。

【俺は助産師】という漫画。1話無料で読めます。↓
https://comic-walker.com/detail/KC_003740_S?episodeType=first

それに、産科ではどうしても疎外感を感じてしまうパパたちの味方がいても良いですよね。

だから今は女性だけの閉ざされた世界に「男性」が入ることは良い変化をもたらしそうで、アリ。

ただ私はそれは助産師である必要はないんじゃないかって。

そもそも産科の看護師と助産師の違いって、「赤ちゃんを取り上げることができる」かどうかなんですが、「赤ちゃんを取り上げる」ためにはお産の最中にたくさん産婦さんから身体的情報を得ないといけません

それは内診や腹部などの触診も含まれる。

男性助産師を認めるということは、それらも日常的に行われるということで、私はどうしても・・・抵抗感がありますね。

男性医師が内診するのとは、わけが違うな。そもそも医師とは物理的な距離があります。
医師とは「内診が終われば離れる関係」とわかっているから、男性の内診でも割り切れる。

けれど助産師はもっと心身的に距離が近い存在なので

男性の助産師がいたとして、内診されて、その直後に顔を合わせてお話できるか?私はちょっと・・・抵抗あるかなぁ。

男性だからこそできることもある

でも。力のある男性だからこそ、活躍する場面はあると思います。

先述したように、「腰をさすってほしい」「肛門を抑えて欲しい」とか…

ただそれは、助産師でなくて看護師でも可能な仕事

だから私は、男性助産師ではなくて、産科に男性看護師がいる環境を作るのはどうか、と思います。

  • 産科には新生児もいるので、普段は新生児メインの業務をして。
  • お産中は希望される産婦さんにサポートをして。(腰をさするなど)
  • 外来では両親学級などでお話をして。
  • 産後のパパに産後の生活について説明して。

・・・助産師でなくても、やれることはいっぱい。

そうそう。大きな病院の看護師って、入職するときに何科で働きたいか確認されるんですね。
(それが希望通りになるかはわからないですが。)

で、今現在、男性看護師は産科は除外されています。暗黙の了解というか。

ただ法律で決められているわけではないので、別に産科にいても違反にはならないんですね。

だから、産科で男性看護師が活躍することに賛成な病院が、「うちはこういう理由で産科に男性看護師を配置することにしました。」などちゃんと説明すれば、今すぐやれそうな気がします。

それが社会的に注目されて、男性と産科についてもっと活発な議論が巻き起こったら、時代も変わりそうですよね。

産婦人科に男性の医師がいる理由

昔は医者は男性の仕事だった

フォロワーさんからの質問にもあったんですが、

「産婦人科医の男性は良くて助産師は女性なのはなぜか」

これは・・・難しいですよね。

医者って紀元前からある職業で、昔は仕事をするのは男性の役割
高度な勉強や体力も必要なので、長らく医学界は男の世界でしたよね。

国内で初めて女性の医師が誕生したのは明治時代。(埼玉出身、荻野吟子さん)

そして助産師に関しては昔は「産婆さん」と呼ばれていて、女性だけの世界だった。

それが帝王切開で外科医がお産に関わるようになって、女性だけの世界に男性が入るようになった、と。

この流れを考えると、産婦人科医に男性が多いことは「医師だから」という理由になっちゃうのかなぁ、と思います。

男性が良いのか悪いのか議論する前に、医療行為ができる相手が男性しかいなかったから、それを受け入れるしかなかったんですよね。

もし助産師と同じようにもし性別を限定すると、産婦人科で治療を受けることが難しくなりますね、きっと。

でもね。男性だからこそ、産婦人科医は患者さんとなる女性に配慮して診察される方が多いと感じます。

近年は女性の産婦人科医も増えている

ここで一旦、法律を見てみましょうか。

「助産師は女子のみ」と定められた「保健師助産師看護師法」、通称「保助看法」は昭和23年に制定されました。

また、そして、現在の「医師法」も昭和23年に制定されています。

この昭和23年。まだまだ、「医者は男性」「産婆は女性」という風潮だったのかな、と思われます。

一説によれば、明治時代に男性の産婆さんがいたようなんですが、それが職業として多くの人に広まらなかったのは、男性がお産の世界に入ることの難しさを語っていますよね。

この男産婆が関係しているかはわからないけれど、昭和23年に制定された保助看法では女性への倫理的配慮が必要となり、「女子のみ」と明記された。

そして同じく医師法が制定された昭和23年。

この時代はそもそも女性医師はかなり少ないです。

私が見つけられた一番古いデータが昭和51年のものなんですが、そのときの女性医師の割合は9.4%。

この中で産婦人科医が一体どのくらいいたのだろう。

2018年のデータでは、女性医師の割合は21.9%になっていますね。

このように最近でこそ産婦人科で女性の医師を指名できる場面もありますが、しかしまだ少数派だということを忘れてはいけないと思います

今後女性の産婦人科医だけで産科を担当できるようになれば、時代の流れによっては「産婦人科医は女性に限る」という明記がされる・・・・・ことがあったりして?

みなさんどう思います?

あ、でも男女共同参画の時代に、性別を定める法律が新しくできるわけはないか。

男性が産科の現場で働くこと。いつか社会的な議論が起こるといいな。

いろいろ書きましたけど・・・私自身もフォロワーさんと話していて、男性が産科に入ることのメリットデメリット両方で心が揺れ動きます。

そもそも自分が産科で男性の助産師や看護師にケアをされたことがないので、想像でしかないんですよね。

実際に男性からケアを受けたら「女性のスタッフより気楽だわ~」とか思うのかもしれないし、「男性は無理!!」って強く思うのかもしれないし・・・・

わからないですね。

だからこそ、もっと多くの人の意見を聞いてみたいと思います。

個人的には誰か著名人がXかなんかで「今の時代に助産師が女性のみと性別で決められているのはどうなんだ」みたいな投稿をして、そこから社会的な議論が巻き起こる・・・

こんな風景を見てみたいです。

それで法律が変わるかはわからないけれど、多くの人が関心を向けるのは確かで、妊娠出産育児を取りまく男女の立ち位置も良い方に変わっていくと良いなぁ、と。

あ。ちなみに、過去に男性助産師については、約30年前に国会で議論されたみたいです。

ここから記事が読めるので、興味のある方はどうぞ。

(かなり長く、難しかった・・・)

↓↓

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigirokua.nsf/html/kaigirokua/009715320011205013.htm

時代がまた変わってきているので、今後の議論にも期待ですね。

【最後に小話】

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

最後に、小話を一つ。

産婦人科医って男性が多いじゃないですか。

女性特有の部位を日頃見ているわけで、それについてどう思うのか、聞いたことがあるんです。

(※私が直接聞いたのではありません。私にはそんな度胸はない・・・私が助産師として働いていたのは10年前の話。飲み会の席でベテラン助産師さんが産婦人科医にこっそり質問したのを横で聞いていたという感じです。)

その先生はね・・・・


「なんとも思わない」


って。

体の一部、くらいの認識だそうです。心臓外科医が心臓を見るように。脳外科医が脳を見るように。
ヒトの体の一部。

まあ、そうですよね。そうじゃなかったから診察してもらいたくないですよね。

安心したというか。そのように思える人が医師になっているんだなと思いました。

ちなみに、私が過去に勤めていた病院の産婦人科医は、「妻は助産師/看護師/医師です」っていう方が多かったですね。

同じ職種、出会いやすいし仕事への理解もありますし。

夫婦で経営する産婦人科クリニックなんかも、珍しくないですよね。



せれな

ではみなさん、改めてここまでありがとうございました!

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