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「宝くじで1億円当たった人の末路」を読んだ感想(ネタバレあり)

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先日、「宝くじで1億円当たった人の末路」という本を読みました。

タイトルで気になった本なのですが、実際には宝くじで1億円当たった人の末路以外のお話もたくさん載っています。

そのため、いろんな人生の「末路」を見れて面白かったです。「こういう選択をしたらこうなるのかな」と(良い面で悪い面でも)人生の選択肢が少し広がった気がします。詳しく感想を書いていきます。

※ネタバレあります。

目次

本の情報

「宝くじで1億円当たった人の末路」という本の詳細です。

著者 鈴木 信行
出版社 日経BP社
第1刷発行日 2017年3月28日

著者の鈴木信行さんは、日経ビジネスの副編集長です。中小企業経営や製造業全般、資産運用などを中心に取材をされている方です。

この本は、著者の鈴木さんが、それぞれの分野に精通している方に「こういう人は実際どうなるんですか?」とインタビューする形で展開されています。

[box05 title=”本の目次”]

  • 第1章 やらかした人の末路
  • 第2章 孤独な人の末路
  • 第3章 逃げた人の末路
  • 第4章 変わった人の末路
  • 第5章 怠惰な人の末路
  • 第6章 時代遅れな企業の末路
  • 第7章 仕事人間の末路[/box05]

それぞれの章の中に、3~4個ほどエピソードが書かれています。

宝くじで1億円当たった人の末路

1億円を当てると人生が悪い方向に変わることがほとんどのようです。お金の要求やお金の話題ばかりなど、家族や親族のトラブルがもっとも多いです。宝くじで高額当選した場合、「当選者の心得」のような冊子をもらうのを知っていましたか?

[chat face=”pro4.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]冊子が渡されるほど、宝くじで身を滅ぼすケースがあるってことだね[/chat]

隠し切れない当選者

例え、「自分は宝くじに当たっても誰にも言わず、隠し通すぞ!」と思っていても、お金の羽振りが良くなるので隠し切れなくなります。

筆者が述べていますが、高額な買い物になるほど、吟味する時間って減りませんか?

例えば800円のランチが1500円に変更されていたら、それを食べるか迷うはずです。しかし、5000万の家を買うとき、70万のオプションが大したことないという感覚になりませんか?

人は普段扱わない範囲の金額になると、金銭感覚がおかしくなります。そのため、宝くじで高額当選した場合は、自分の行動が変わってくるのでだんだん隠し切れなくなります。

[jin-iconbox01]しかも、宝くじで1億円が当たる確率は1000万分の1以下だとか。交通事故で亡くなってしまう確率より低いものです。[/jin-iconbox01]

そんな低確率のものを買うこ自体が損だし、万が一当選しても今まで通りの人生が送れなくなる可能性の方が高い。宝くじは、買っても当選しても何も良いことがないっていうのが筆者の意見です。

私は宝くじは買わない派ですが、しかし「夢を買う!」っていうのが面白いと思う人がいるのも事実ですよね。結果発表までドキドキして過ごす時間が楽しいという気持ちもわからなくはありません。

宝くじに当選しても仕事は辞めてはいけない

私がこの章で心に残った言葉です。

労働が私たちに提供してくれているものはお金だけじゃないんです。啓蒙主義を代表するフランスの哲学者、ヴォルテールは、かつて「労働は我々を3つの大きな悪から逃れしめる」といいました。退屈、悪徳、欲求です。

「宝くじに当選したら、仕事を辞めてたくさん遊んで暮らしたい!」ということは、誰でも1度は考えたことがあると思います。

しかし、退屈というのは人生にとって辛いものです。私も仕事をしていない時期があって、本当に退屈で辛い日々でした。仕事が退屈から救ってくれるというのはわかります。

宝くじは当たっても、仕事は辞めない方が充実した人生を送れるということですね。

[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]それなら結局、宝くじを買う意味ってあまりないような・・・・[/chat]

キラキラネームの人の末路

筆者によると、キラキラネームをつける親の多くは、ごく普通の家庭の人たちなんだそうです。

キラキラネームを付ける理由

特に、「自分が個性的ではない」「他の人と同じ」であることにコンプレックスを抱く親が、子どもに「個性的に育ってほしい」という願いを込めてつける場合が多いとか。

しかし、実際はキラキラネームを付けられた子ほど没個性的な人になりやすいのだそうです。

なぜなら、人は自分が育てられた以上の子育て方法を知らないからです。「個性的に育てたい」と思っていても、自分が個性的な子育てを受けていないから、やり方がわからない。

結果、親が望むような「個性的な人」とは違った「普通の人」になり、名前だけが独り歩きしてしまう。本人はその名前の存在の強さに負けて社会とのかかわりを避ける可能性もあるのだそうです。

ひと昔前は、キラキラネームと言っても、クラスに1人とか学年に数人というレベルだったと思います。確かに、その時代は名前のインパクトで就活など有利になることもありました。

しかし、今の時代はキラキラネームによる弊害の方が多いです。

[jin-fusen3 text=”例えば”]

  • 就活で企業側は「没個性人材を見抜く」手段として名前を見ている
  • 私立の学校では、いじめを避けるために明らかに読めないキラキラネームの子は入学を許可しないところもある

時代とともに、キラキラネームの捉え方も変わってきていますね。

キラキラネームの子と虐待の関係

最近のニュースでは、親が子どもを虐待してしまう事件が後を絶ちません。こういうニュースで報道される子どもの名前って、なんとなくキラキラネームが多いと思いませんか?

筆者は、キラキラネームと虐待事件の関連性を以下のように述べています。

奇抜な名前を付ける親の価値観のベースには、「我が子は自分の自由になるべきだ」という発想がありますから、自分の理想通りに育たないと、普通の人以上に感情が爆発しがちです。

厚生労働省のデータでは、児童相談所で扱われた児童虐待相談件数は平静初期から24年間で約80倍に増えていますが、これは珍名・奇名が増えた時期と重なります。

私は虐待のニュースで子どもの名前を見るたびに、「親はなんでこんなに読みにくい名前を付けるんだろう?」って思っていましたが、この章を読んでキラキラネームをつける親の思考がわかりました。

[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]親の「こうなってほしい!」という理想が強いんだね[/chat]

でも、子どもって親の所有物じゃないですし、親ができなかったことをやり遂げるための人でもないはずです。

私もこれから子どもを産む身として、名前はとても慎重につけたいと思います。親の考えを押し付ける名前ではなくて、子どもが一生胸を張って言えるような名前を付けたいです。

「友達ゼロ」の人の末路

著者は、日本では「友達が少ないのは良くないこと」「友達が少ない人は変な人」と見られがちな雰囲気があることを指摘しています。

[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]その結果が、会社の昼休みにランチに行くことを事実上強制されてしまうとかね[/chat]

これにはやはり、日本というお国柄が影響していると述べています。小学校の低学年からの集団行動で、とにかく「周りと同じことをしないといけない」と学ぶので、周りと少しでも違うことをすると”浮いて”しまいます。

だから、例えば1人でランチをとっていると「変な人」に見られてしまうことがある、と。

しかし、「群れること」の弊害を次のように書いています。

自分が何をどう感じていて、何を欲しているのかわからなくなる。こういう人は人生の節目節目、特にレールから外れた時に、なかなか立ち直ることができません。

一方で、一人の時間をしっかり持っている人は、自分と向き合い、深い部分で自分本当はどう生きたいのかよく考えていることが多いから、どんな時も心のバランスを維持することが可能です。

筆者はこの章の最後に、「友達ゼロの人の末路」の結論として「気にすることではない」という答えを出しています。

私は本当に数えるほどしか友達がいないです。そもそも、人と群れて行動をするのが好きではなく、1人で旅に出る方が性に合っています。

でも、友達ゼロは寂しいです。一緒に出かけたり美味しいものを食べると楽しいし、家族ではなく友達だからこそ話せることってあると思います。

私は友達ゼロだと、社会的な繋がりがなくなって人生が寂しくなるんじゃないかなって考えました。

「友達が少ない人の末路」だったら共感できたかもしれないですが、「友達ゼロの人の末路」が「気にしなくていい」っていうのは、ちょっと疑問を抱いてしまいました。

教育費貧乏な家庭の末路

本の中では、世帯年収1300万円で共働き夫婦と4才の子ども1人の家庭が例に挙げられています。

世帯年収だけを見ると、「なんとセレブな!羨ましい」と思いますが、この家庭は「教育費貧乏」に陥っているというのです。

子どもを幼稚園から全て私立に入れ、将来は海外留学もさせてあげたいというご両親。しかし、家庭の資産をシミュレーションすると、子どもが大学受験の準備を始める時期から預金残高が急速に落ち込みます。

そして、夫婦が定年を迎えるころに借金ができ、年金では返済が追い付かず資産を切り崩すことになるというのです。

子どもの教育費が本格的に上昇するのは高校生からで、小さい頃は自分たちの教育費投資が分不相応であると実感しにくい部分もあるんです。

とあるように、実際にこの夫婦には自分たちの老後に危機感がなく、教育プランの見直しをしていません。

[chat face=”pro3.png” name=”ちょここ” align=”left” border=”none” bg=”red” style=”maru”]子どもが小さいうちは、自分たちの世帯に合った教育費なのかわかりにくいってことだね[/chat]

幼稚園から高校まですべて公立に通わせると平均で約550万円、幼稚園から高校まですべて私立だと約1600万円必要になるとのことです。

教育費ばかりにお金をかけすぎると、自分たちの老後が借金まみれになってしまう・・・・可能性があるんですね。

「子どもには好きなことをさせてあげたい!」と思う一方で、金銭的な限界があるのも事実。どう折り合いをつけて教育していくかが、親に問われるなと思いました。

子どもが小さいうちは、自分たちの老後のことって具体的に考えられないと思います。けど、実際に老後を考えるようになってからだと、既に遅いっていうことなんですね。

教育費と自分たちの老後は並行して考えるべきなのかもしれません。

その他にも「末路」がいっぱい

この本を読んで私が特に強い印象を受けた章の感想を書きましたが、これ以外にもたくさんの「末路」が書かれています。

  • 事故物件を借りちゃった人の末路
  • 子供を作らなかった人の末路
  • 賃貸派の末路
  • 自分探しを続けた人(バックパッカー)の末路
  • 留学に逃げた人(学歴ロンダリング)の末路
  • 「疲れた。海辺の町でのんびり暮らしたい」と思った人の末路
  • 電車で「中ほど」まで進まない人の末路
  • 「グロい漫画」が好きな人の末路
  • 外国人観光客が嫌いな人の末路
  • 癖で首をポキポキ鳴らし続けた人の末路
  • 8時間以上寝る人の末路
  • いつも不機嫌そうな上司の末路
  • 体が硬い人の末路
  • 禁煙にしない店の末路
  • 日本一顧客思いのクリーニング店の末路
  • リモコン発見器の末路
  • ワイシャツの下に何を着るか悩む人の末路
  • 男の末路
  • アジアの路上生活障害者の末路

面白そう!と思う「末路」がきっとあると思います。

自分がこれらの体験をするのは難しいけれど、これらの末路にたどり着いた人の話を聞くことは自分の視野を広げることにもなると思います。

ぜひ、読んでみてください。

http://chococotime.com/ikimonogatari

http://chococotime.com/hanashi-kikanai

http://chococotime.com/review-kimisui

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